高い純度のフッ化水素は、半導体を生産するにはなくてはならない物で、
韓国のサムスン電子やSKハイニックスは、高純度のフッ化水素なしで半導体を製造できなくなるそうです。
しかしなぜ、高純度のフッ化水素を韓国企業がつくれないのでしょうか?
今回は、そこのところを色々調べてみました。
フッ化水素とは?
フッ化水素とは一体なんでしょうか?
まず、フッ素は鉱物の一種「蛍石」に含まれています。
露天掘りで掘り出された蛍石を、浮遊選鉱し微粉砕したあと
硫酸と反応させることによりフッ化水素酸を抽出しているのです。
不純物があまりなく含有量が多い蛍石はほとんど中国によって採掘されております。
安定的な原材料の調達と製造工程の合理化する為に、
森田化学では中国国内の合弁会社で、フッ化水素酸を生成し、
日本に輸入して国内で作り上げています。
高純度のフッ化水素を韓国がつくれない理由?
韓国も高純度のフッ化水素を生産する能力はありそうですが、
なぜ自国生産ができないのでしょうか?
それには日本がフッ化水素を生産し管理してきた歴史が関係しています。
国内で最初にフッ化水素酸の国産化を実現したのが森田化学です。
フッ素の草分け的存在として、1世紀にわたる技術の研鑽(けんさん)と
ノウハウの積み重ねを行ってきたのです。
実は、フッ化水素を生産し管理してきた歴史は100年以上にもなるのです。
いわゆる老舗であるからできる技術やノウハウが存在しますので、
これを数年やそこらで構築するのは難しいのではないでしょうか?
もちろん韓国も高純度フッ化水素の生産に取り組んだ時もありました。
韓国の高純度フッ化水素製造の歴史
実は韓国も以前に自国生産に取り組んだことがあります。
しかし、結果はひどいものだったようです。
2012年9月27日に慶尚北道亀尾市の化学薬品メーカー「ヒューブグローバル」のしくじりで、燃料送出バルブが開き、ガス漏れが発生。
その現場にいた4人は全身に薬品による火傷を負い、その後病院で治療中に全員亡くなる…といった大事故を引き起こしてしまったのです。
さらに、韓国ではフッ酸(フッ化水素酸)の分解スピードが極めて遅いことから
土壌と植物にも長期間、悪影響を与えるといった後味の悪い事故となってしまったのです。
従って、フッ化水素生産には高い技術力や管理能力などが要求されるため、
日本以外の国では適格に作れないのが今の状況です。
「サムスン電子」や「SKハイニックス」という韓国を代表する半導体企業も事実上、
必要な量のほとんどを日本から輸入するしかない現況となっているのです。
韓国産フッ化水素と日本産フッ化水素の比較
2020年7月現在、韓国産のフッ化水素が「脱日本」「日本依存克服」という韓国政府の意向で開発されています。
最近では韓国の「SKマテリアルズ」が超高純度気体フッ化水素(チングガス)の開発に成功しました。
しかし、日本産より純度の面で品質が落ちるということらしいのです。
そのため不良品が増え、生産面でのコストが増えているようです。
では、どれだけ純度の差があるのでしょうか?
実際の数字で表すと以下のようになりますが、
純度 99.999%(5N)
■日本製品
純度 99.9999999999%(12N)
分かり易い書き込みには、
韓国は1万分の1で日本は100億分の1
日本と韓国の純度差は、10万分の1か?
日本の純度は、地球の全人口から1人を探すくらいの難易度
韓国の純度は、小さな村から1人探すくらい
ゴジラ松井(100キロ)中 1グラムの不純物
ゴジラ(2万トン)×50匹中 1グラムの不純物
などがありました^^;
まとめ
現在、韓国の徴用工判決の報復とされている「フッ化水素」「レジスト」「フッ化ポリイミド」の輸出規制ですが、
その素材の日本企業のシェアは以下になるそうです。
- フッ化水素…90%
- レジスト…80%
- フッ化ポリイミド…70%
さらに、日本メーカーは高い品質となる上、納期がちゃんとしているようで、
大部分が大量のストックを所有しない「ジャストインタイム」的な供給サイクルを築きあげています。
その上、ガス類は長期の保存が容易ではないため一気に大量調達は行えません。
韓国は早急な対応が必要がになると思いますが、どういった展開になるのでしょうか?