釣書(身上書)とは、自分の経歴を書いた自己アピール書です。
元々は縁談やお見合いの仲介人に写真と一緒に預け、
「このような人物ですが、結婚相手にどうですか?」
という観点から相手方に、お勧めしてもらうと言うのが主旨ですが、
恋愛結婚が中心の今でも、両家で取り交わすという意味があります。
家族書(親族書)という家族の紹介文を記載したものと一緒にして作成することが一般的です。
しかし、どう作成すればいいのか、分からない人も多いと思います。
今回は、釣書と家族書の書き方や見本、注意点を紹介します。
釣書の書き方の見本!
釣書の項目(本人書)
- 氏名(お見合いをする本人)
- 生年月日
- 本籍地
- 現住所
- 学歴、職歴
- 勤務先
- 資格
- 趣味
- 特技
- 宗教
- 身長
- 体重
- 既往症
家族書の書き方の見本!
家族書の項目
- 氏名(父、母、兄弟姉妹など)
- 生年月日(満年齢)
- 最終学歴
- 勤務先(通学先)
釣書(身上書)の書き方!
まず、釣書は縦書きにするのが礼儀です。
封筒には三つ折りで入れますが、取り出した際に初めに開く所が読み始めになるように、折りたたむ順番に注意します。
封筒の表面には、釣書もしくは身上書と書きましょう。
氏名・生年月日
釣書を開いて、最初に見られるのが氏名、生年月日です。
略字は止め、正式な文字で丁寧に書きこみましょう。
読むのが難しい名前でしたら、ふりがなを入れておくと親切です。
生年月日は、和暦を付けて書き入れます。
年齢はと言うと、特に書かなくてもいいです。
本籍地・現住所
次に書くのが現住所です。
こちらの方も正確を意識し、自宅がマンションやアパートだとしたら、
その名前やお部屋番号まで略字なしでに記入するようにします。
地名が読みづらい場合は、ふりがなを足しておいてください。
本籍地は絶対に書くとは限らず、略すこともあります。
学歴・職歴・勤務先
学歴を記載するのは、中学校卒業以降で大丈夫です。
卒業した幼稚園、小学校が有名だとしたら、プラスの面になるので、
その部分から記述すればいいでしょう。
予備校や留年といったキャリアは、あえて書かなくてもいいんです。
しかし、中退されてるケースで、のちに知られる可能性があるのなら
最初から記載しておいた方がいいと思います。
その際には、安易に退学したという事のみならず、
- 「別の学校にほかの目標を見つけた」
- 「もっと良い求人先が見つかった」
など、なりゆきやきっかけがうかがえるような書き方をしておいてください。
職歴ですが、短い期間のアルバイトなどをあらいざらいを書く必要はなく、
最終学歴から後の事を書きます。
転職の経歴なども、
- 「前の勤め先が倒産したので」
- 「より良い条件の所に誘われた」
など、極力なりゆきが分かるように記載しておきます。
結構な数、転職している場合、あまり良い印象を受けないので、
現在の職のみ記載で良いでしょう。
勤務先は、会社名部署名といった事を記入します。
更に、男性サイドだと結婚する上で経済力が大切な部分になるので、
収入額を記載することも珍しくないようです。
資格・趣味・特技
資格は運転免許等、お持ちの資格を書き入れますが、
格段良い印象になるようなものじゃないと、忠実に記す必要はありません。
ないならカットして大丈夫です。
趣味は、くらしや好みが把握できる点になるので、
あちら側との相性を量るうえで、重要な要素となります。
人柄が映し出され、さらに、書き方にアレンジが可能な項目ですので、
自分をPRするといったつもりで書いていきましょう。
読書、音楽鑑賞とだけ書くのじゃなく、わかり易いジャンルや気に入った著者、
ミュージシャンなどを記載すると良いと思います。
スポーツ好きであることは、健やかな印象をもたらすので、
できるだけ記載しておくといいでしょう。
「サッカーや野球観戦」といった、観戦や視聴が趣味でもOKです。
また、趣味によって自らの長所になった例があるなら、付け足しておくといいでしょう。
- 「交流関係が広まった」
- 「コミュニケーション能力が高まった」
という様に表現しますと、イメージがいいと思います。
特技というと、級や段を持つようなものじゃなくても、趣味の延長や相性的な面などで大丈夫です。
- 「料理」
- 「誰とでも仲良くなることができる」
といった中身でもいいでしょう。
身長・体重
身長はと言うと忠実に記載することが求められます。
しかし、体重は何キロとまで細かく書きこむ必要はないです。
釣書には、写真を同封しますので、目にすればほぼ伝わります。
とはいえ、まれにスタイルの好みがある方もいますので、
- 「痩せ形、小柄」
- 「安心感のあるスタイル」
といった客観的な表現を足していれば、
のちに写真と違う…という面倒なことも少ないでしょう。
その他
その他、結婚した後に暮らして行く上で、大切であると判断される事柄について、打ち明けておくことにしましょう。
例えば、信仰上の都合での習慣や食べ物のタブーなどを、相互に前もって把握しておくことは重要です。
既往症があるのなら、書き記しておきましょう。
自宅や車のローン、奨学金の借入金等は、結婚後の支出状況にかかわってきますから正直に記します。
更に、結婚後のくらし方に関して現実的に願望をイメージすることだってあります。
親との同居やペットがいるのかいないのか、ほしい子どもの人数など、自分の意見があるのなら記載しましょう。
家族書(親族書)の書き方!
家族書(親族書)は、お見合いする相手に家族や親族を知ってもらうためのものです。
以前は親族全員が結婚を許可しているという証書代わりにもなっていたんです。
家族書には、本人から二親等にあたる親族まで記載するのが普通で、
もっと細かい親族書の場合は、三親等まで書き込むことだってあります。
初めに、「家族書」と記載して、
- 両親の氏名
- 生年月日
- 最終学歴
- 勤務先の会社名、部署名、役職名
を箇条書きます。
次は兄弟姉妹について順番に書きます。
兄弟姉妹がすでに結婚している場合は、義兄義姉にあたる人の情報も付け足します。
書き込むべき項目は、現在 簡略化する傾向がありますし、地域差もありますので、
どれ位まで記載するべきかは世話人に聞いておくと安心です。
家族書は、お見合いの際にどうしてもないと困るわけではなく、
結納の場で取り交わされるのが通例です。
こちらにしても省略されている傾向が強くなっているのですが、
交換することになったら、両家が一緒に同様な形式で用意するのがいいでしょう。
釣書を書く時の注意点!
釣書を書く時は、いくつもの気をつける事があります。
釣書を書く用紙は、履歴書のように決まった形のものはありません。
そのため、良質な紙や封筒を使い、相手方に多少なりとも良い印象を与えることが必要です。
釣書を書く用紙は?
釣書を書く紙については、上質紙や和紙、便箋などといったところです。
A4・B4・B5程の大きさ、又は便箋サイズを選択します。
白無地、罫線入り、いずれでも構いませんが、罫線が入るものは縦書きになるよう気をつけましょう。
更に、デザインが入った用紙にしたい時は、文字がはっきりとわかるよう、薄いカラーの物を買いましょう。
釣書は手書きで!
パソコンによる作成はできる限り避け、手書にしましょう。
手書きの文章は、大きさや形、筆圧などから、計らずも人柄が伝わると思います。
書く事が下手な人にとっては、手が掛かる作業になりますが、手書きは温かみがあって誠実な印象をあたえます。
ボールペンなどは避け、筆ペンか万年筆で記載します。
お見合い相手や世話人が理解しやすいよう、封筒の表側には忘れず釣書と記載しましょう。
これらの注意点を順守しながら正確な釣書を作成しましょう。
やっぱり字を書く自信がもてない時は、達筆の人に代理としてに書いてもらうか、筆耕サービスにお願いしてみましょう。
釣書の書き方のまとめ
釣書の書き方や注意点について紹介しました。
釣書は、相手方に自分を知ってもらうことの出来る一番のツールだと言えますし、
お互いのご両親からしても安心要素となるでしょう。
このところ、ずいぶん簡略化された書き方が進行していますので、
書き方や作法をわきまえながら、あせらずに気持ちを込めて丁寧に書きましょう。